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大徳寺塔頭・瑞峯院の歴史・見どころは?十字架が隠された庭園を紹介

投稿日:2019年5月17日 更新日:

京都にある大徳寺にはたくさんの塔頭があります。

通常拝観できる4つのお寺のうち、今回は「瑞峯院」を訪れてみました。

瑞峯院の庭園にはなんと十字架が隠れているんです。

お寺に十字架、これはいったいどういう意味でしょうか?

とってもおもしろいカラクリが隠れている瑞峯院、さっそく中へと入ってみましょう♪

 

瑞峯院ってどんなお寺?

瑞峯院(ずいほういん)は、京都市北区にある臨済宗大徳寺派のお寺です。

大徳寺の塔頭の一つで、通常拝観できますよ。

境内には大友宗麟夫婦のお墓があることでも知られています。

いつ訪れても混雑している!ということはないので、癒しを求めてよく訪れています。

この日も参拝客は数人で、ゆっくりのんびりと拝観できたのでラッキーでした♪

 

瑞峯院の歴史は?

まずは瑞峯院の歴史を振り返ってみましょう。

瑞峯院は室町時代に九州豊前・豊後の領主であった大友宗麟が建てたお寺です。

大友宗麟はキリシタン大名として有名な人物で、洗礼も受けたとか。

開祖は大満国師・徹岫宗九(てっしゅう そうきゅう)で、大友宗麟が帰依した人物です。

大満国師は青年時代の上杉謙信に禅の指導もしていました。

有名な歴史上の人物2人も子弟にするなんて、大満国師は偉大な人物ですね!

 

創建年については諸説あり、天文2年(1533年)、同4年、同12年、同15年などがあがっています。

「瑞峯院」というお寺の名前は、宗麟の法名「瑞峯院殿瑞峯宗麟居士」から名づけられました。

とても美しい名前のお寺の由来は、なんと法名からきていたとは驚きです。

 

瑞峯院の見どころは?

表門

まずはお寺の入口、表門をくぐって中に入ります。

この門は創建時のものがそのまま残っているため、時代を感じる作りでした。

重要文化財にも指定されている、文化的価値の高い門といえますね!

 

本堂へとつながるアプローチも風情があってステキです。

「この先にどんな景色があるんだろう…!」という期待でわくわくしてきます。

アプローチはどこを撮っても絵になります。

私も思わず何回もシャッターをきり、なかなか前へと進めませんでした(^^;

写真好きも楽しめるお寺、瑞峯院です。

 

ところどころに季節の花も植えてあったのがよかったです。

今回(4月中旬)訪れたときは色鮮やかな花(つつじ?)が咲いていました。

 

本堂(方丈) 

受付で拝観料を払って、さっそく本堂へと足をすすめます。

こちらの本堂も表門と同じく創建時に建てられました。

1535年(天文4年)のもので、唐門・表門とともに室町時代の禅宗方丈建築の遺構をとどめています。

そのため、建築史の観点から見ても貴重な存在といえる建物ですね。

建物自体とても古く長い歴史を感じましたが、掃除が行き届いているためとても素敵な空間が広がっていました。

 

中にある襖絵は近年の作品で、日本画家・野添平米が「瑞峯」にちなんで朝鮮にある金剛山を写したという作品です。

正面には開祖・大満国師の木造が安置されていました。

その前にある普応塔の「普応」の2字、「瑞峯院」の額は後奈良天皇の宸筆(しんぴつ)です。

宸筆とは、天皇直筆の文書のことだよ!

天皇直筆の書があるなんて、瑞峯院はすごいお寺なんですね。

 

茶室

瑞峯院には3つの茶室があります。

1つの寺に3つも茶室があるなんて、大友宗麟は茶道がとても好きだったんですね。

「昨日はこの茶室だったから、今日はこの茶室にしようか~」みたいなノリで使っていたのかもしれませんね(^^;

 

餘慶庵

表千家8代目啐啄斎(そつたくさい)の好みの席のうつしです。

利休忌にちなんで、毎月28日には釜がかかるそうですよ。

この「月釜茶会」は気軽に参加できるので、予定が合った方はぜひ!

瑞峯院の茶会は流派を問わないで、2000円で参加できますよ。

ただし8月と12月はお休みなのでご注意を!

せっかくなので着物で参加してみるのも素敵ですね。

きっと旅のすてきな思い出として残るのではないでしょうか。

私は茶道はまったくわからず、ただ抹茶とおいしいお菓子がいただければいいという人間なので参加することはなさそうです(^^;

 

 

安勝軒

表千家第12代惺斎の好みで、大徳寺山内唯一の逆勝手席です。

大友宗麟の時代にも「安勝軒」がありましたが、享保年間になくなり、その名前をそのままとったものとなっています。

どの茶室も中に入ることはできなかったのが残念ですが、外からは眺めることができるのでそれで我慢、我慢!

 

平成待庵

千利休が唯一残した茶室で、400年忌に復元されました。

それにしても「平成」と「侍」の組み合わせはインパクトのある茶室ですね。

どんな内装になっているかとても興味がひかれる茶室です。

 

庭園

瑞峯院の庭園は方丈を中心に南・北・西の3つの庭園から構成されています。

つまり3つのお庭が楽しめるということなんです。

どれも名庭家・重森三玲が手がけたもので、1961年(昭和36年)に開祖・大満国師の400年遠忌に作られました。

私は重森三玲の作庭した庭が大好きなので、必然的に瑞峯院の庭園はお気に入りになりました!

 

独坐庭(どくざてい)

方丈の正面にある庭園です。

瑞峯院のメイン庭園ともいえる存在だと思っています。

このお庭は、中国の禅僧・百丈禅師の言葉「独坐大雄峰」という禅語から命名されました。

蓬莱山式庭園で、大刈込と巨石で蓬莱山からのびる半島と小島に打ち寄せる荒波を描いています。

この後いろいろとまわる予定はあったのですが、庭の魅力にひきこまれてついつい長居してしまいました。

おまけにタイミング良く庭園を見ているのは私一人だけだったので、時間を忘れて楽しんでしまったのです。

 

こちらの庭園、普通に見ても美しいのですが、冬の景色もおすすめなんです。

こちらは雪の積もった「独坐庭」です。

雪がたくさん降っても、波紋が埋もれていないのがすごいですよね!

初めてこの景色を見たときは感動しちゃいました。

他の季節では決して見ることのできない静寂の世界が広がっています。

 

閑眠庭(かんみんてい)

「閑眠高臥して青山に対す」という禅語から名付けられた庭園です。

大友宗麟は晩年キリスト教を保護したり、洗礼を受けたりしていたことから、キリシタン大名として知られています。

そのため、中庭にあるキリシタン灯篭を中心として7個の石組み(縦に4個、横に3個)が十字架に組んであります。

冒頭でお話した「十字架が隠れている」というのはこのお庭のことなんです。

私も説明を読んで初めて知ったくらいなので、何も知らないで見たら普通のすばらしい庭園に見えますよね。

 

茶庭(ちゃてい)

方丈と茶室・餘慶庵の間にある露地(茶室・草庵の庭)です。

一木一草を使わずに青石を敷き詰めてあります。

コンパクトにいろいろなものが凝縮されているという印象をうけました。

 

中央近くには立手水鉢があるという趣向がとびぬけていて、新しい形の茶庭だ!と私は感じました。

置かれている灯籠は「キリシタン灯籠」で、下部が埋もれているのが特徴です。

言われてみると、普通の灯篭よりも背が低いですよね。

埋まっている部分には「聖母マリア像」があるそうです。

宗教の自由がないこの時代、隠れキリシタンはこのようにして信仰をしていたのですね。

当時の人々の「それでも信仰したい!」という思いを感じることができるお庭でした。

 

 

ちなみにこちらは冬、雪の日の1シーンです。

先ほどの雪景色もお気に入りなんですが、こちらも風情があると思いませんか?

静寂に包まれた中で見る景色は、心が落ち着きますね。

 

まとめ

瑞峯院はなんとあの「ミシュラングリーンガイド」にも登録されているお寺です。

ミシュランガイドにも認められるお寺だけあって、行ってみる価値は大!ですよ。

禅宗のお寺と、閑眠庭にある十字架の石組みはまさに「和洋折衷」

こんな珍しいお寺はめったに出会えないと思います。

なにより、拝観客が少なくてゆっくりと庭園を楽しめたのがよかったです♪

静かに庭園を眺めたい方にもおすすめですよ!

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京都のナビゲーター

京都のナビゲーター

日本史・京都を愛してやまない30代主婦。 年に数回は京都へ足を運んで情報収集しています。 京都の魅力をわかりやすくお話したいです。 少しでもあなたの京都旅行のお手伝いができますように。

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